熱放射熱量計は、固体物質の熱伝導率の測定も可能です。熱伝導率が比較的低い20W/(mK)以下の物質(合金の一部、セラミクス、ガラス、岩石等)では、試料がヒーターより片面照射されると試料の厚さ方向に温度の勾配が観測されます。温度が定常状態になっている場合に、熱伝導率は温度勾配に逆比例し加熱面とは反対側の面(裏の面)から散逸する熱放射エネルギーに比例します。そこで、試料両表面の温度差と裏の面の熱放射率と温度から求めることが可能です。測定可能な最大熱伝導率は、温度差の測定精度で決まります。実際の測定は、定常状態になるのを待つのではなく、準定常で行います。測定精度は5〜10%程度です。下図は、チタン合金の熱伝導率の測定結果を示しています。また、このときの両表面温度差の変化をさらにその下の図に示しています。準定常状態での測定ですので、測定値はほぼ連続な値として得られます。さらに、上昇下降時の温度差のヒステリシスから熱拡散率も導出が可能な場合があります。


図4 チタン合金(Ti-4Al-6V)の熱伝導率の温度変化。試料のサイズは直径30ミリで厚さ7ミリである。
図4 チタン合金(Ti-4Al-6V)の熱伝導率の温度変化。
試料のサイズは直径30ミリで厚さ7ミリである。


図5.試料両表面の温度差を示す。温度の加熱中と冷却中では温度差に違いがでる。
図5.試料両表面の温度差を示す。
温度の加熱中と冷却中では温度差に違いがでる。


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